数学の疑問

円の面積の求め方と覚えるコツ。なぜ半径×半径×3.14になるか

 

円の面積は、「半径 × 半径 × 3.14」(半径 × 半径 × 円周率 \(π\) )という公式で求めることができます。

 

例題①半径 \(2\) cmの円の面積を求めて下さい。

答え: \(2 × 2 × 3.14=12.56\)(cm2

正確には \(2 × 2 × π=4π\)

例題②半径 \(5\) cmの円の面積を求めて下さい。

答え: \(5 × 5 × 3.14=78.5\) (cm2)

正確には \(5 × 5 × π=25π\)

※円周率 \(π\) については「円周の求め方・円周率とは何か・なぜ無限に続くのかを説明。その割り切れない理由について」の記事でくわしく解説しています。

 

ただ、この公式。「半径 × 半径 × 3.14」が何をどう計算しているのか具体的にイメージしにくいという問題点があります。

 

「なんでこの公式で円の面積が求まるんだろう?」と感じる方も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は「なぜ円の面積が半径×半径×3.14になるのか」を見ていきましょう。

 

photo credit: Travis Wise


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円の面積の求め方を図でイメージしてみよう

まず、半径2cmの円を10等分します。

 

10circle

 

すると、扇の形をした図形が10個できますよね。

 

この10個の扇形を交互に並べていくと…

circle2

 

下図のような『平行四辺形に近い図形』が出来上がります。

 

ap-rectangle

 

この図形の高さは「半径と同じ2cm」。

 

横の長さは、およそ「円周の半分=(直径×3.14)÷2=半径×3.14=6.28cm」に近い値となります。

 

10等分ではまだ上下がデコボコしていますが、円を等分すればするほど平行四辺形に近い形になり、最終的には「高さ=半径」「横の長さ=円周の半分=半径×3.14」の平行四辺形となります。

 

circle-area

 

あとは、平行四辺形の面積の公式『高さ』×『横の長さ』を使うと…

 

円の面積=『高さ』×『横の長さ』=『半径』×『半径×3.14』

 

みごと、円の面積の公式「半径×半径×3.14」を導き出すことができました。

 

Tooda Yuuto
Tooda Yuuto
こう考えると、円の面積が「半径×半径×3.14」になるのをイメージできて、覚えやすくなりますよ。

 

積分による証明問題

以上の考え方は、「円を無限に細かく分割できること」を前提とした考え方のため、直感的にはイメージできても正確な計算にはなっていません。

 

円の面積は、正確には『積分』というテクニックを使うことで以下のように求められます。

 

circle-sekibun

 

積分については、以下の記事で解説しています。

積分とは何なのか?面積と積分計算の意味 積分とは「微分の反対」に相当する操作で、関数 \(f(x)\) を使って囲まれた部分の面積を求めることを意味します。 ...