数学の疑問

相似とは何か。その意味・合同との違い・相似な図形が持つ性質について

 

「同じ形のまま拡大・縮小した図形である」ことを、相似と言います。

 

たとえば、下図の三角形 \(DEF\) は「三角形 \(ABC\) の形を変えることなく \(\dfrac{1}{2}\) 倍に縮小した図形」です。

 

このように、大きさは違っても形がまったく同じ図形であるとき

「三角形 \(ABC\) と三角形 \(DEF\) は相似である」と言って

記号では「\(△ABC\) ∽ \(△DEF\) 」と書きます。

 


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相似と合同とその書き方

相似は、2つの図形の形がまったく同じであれば

何倍に拡大・縮小されていても相似ですし

回転・反転していても相似となります。

 

また、「相似」かつ「大きさも同じ(1倍)」のとき「2つの図形は合同である」と言います。

 

相似について記述するときは、対応している点の順番で書くのがポイントです。

 

たとえば、下図の三角形 \(DEF\) は「三角形 \(ABC\) の形を変えることなく \(\dfrac{2}{3}\) 倍に縮小して、左右反転させた図形」なので、「2つの三角形は相似である」と言えます。

 

 

このとき、「点 \(A\) と点 \(D\) 」「点 \(C\) と点 \(E\) 」「点 \(B\) と点 \(F\) 」が対応していることを示すために

「\(△ACB\) ∽ \(△DEF\) 」

のように対応している点の順番で記述します。

 

対応している点どうしが同じ順番になってさえいればいいので

「 \(△ABC\) ∽ \(△DFE\) 」 や 「\(△CAB\) ∽ \(△EDF\)」

と書くこともできます。

 

Tooda Yuuto
Tooda Yuuto
「どの点とどの点が対応しているのか?」を考えるときは、「回転・反転、拡大・縮小させたときにピッタリ重なる点」を考えると分かりやすいです。

 

 

相似な図形が持つ性質

相似な図形には

 対応する線分の「長さの比」が、すべて等しい

 対応する角の大きさが、それぞれ等しい

という2つの重要な性質があります。

 

対応する線分の「長さの比」が、すべて等しい

相似な図形は「同じ形のまま拡大・縮小した図形」なので、対応する線分の長さの比はすべて同じになります。

 

【例題】下図の2つの図形が相似であるとき、\(a\) , \(b\) はそれぞれ何cm?

 

この問題の場合、右の図形は「左の図形の形を変えることなく \(\dfrac{4}{5}\) 倍に縮小した図形」になっています。

 

そのため、\(a,b\) はそれぞれ対応する線分 \(16\) cm, \(12\) cm の\(\dfrac{4}{5}\) 倍となります。

 

 

\(a=15×\dfrac{4}{5}=12\) cm

\(b=12×\dfrac{4}{5}=9.6\) cm

と求まります。

 

この「対応する線分の長さの比」のことを、相似比と言います。

 

対応する角の大きさが、それぞれ等しい

相似な図形は「同じ形のまま拡大・縮小した図形」なので、対応する角の大きさもそれぞれ等しくなります。

 

 

上図を見ると、相似な図形の3つの角の大きさはそれぞれ \(30°\)、\(45°\)、\(105°\) のままで変わっていないことが分かります。