数学の疑問

三角関数の基礎知識。sinθ cosθ tanθ の覚え方・弧度法・三角比の表まとめ

 

今回は、三角関数の基礎知識をできるだけ分かりやすくまとめてみました。

 


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サイン・コサイン・タンジェント

 

まず、原点 \(O\) を中心とする半径 \(r\) の円と、その円上の点 \(A(x,y)\) を考えます。

 

 

「\(x\) 軸の正の部分」と線分 \(OA\) による(反時計回りを正とする)角の大きさ \(∠BOA=θ\) に対して

\(\sin{θ} =\dfrac{y}{r}\) \(,\cos{θ}=\dfrac{x}{r}\) \(, \tan{θ} =\dfrac{y}{x}\)

で表される3つの三角比の関数のことを、三角関数と言います。

 

「\(\sin{θ},\cos{θ},\tan{θ}\) の分母・分子をド忘れしそう…」と感じる方も多いかもしれませんが、これらはその頭文字 s,c,t の筆記体のイメージと結びつけると覚えやすくなりますよ。

 

 

Tooda Yuuto
Tooda Yuuto
筆記体で「1番目に通る辺」が分母、「2番目に通る辺」が分子です。

 

弧度法とは?

\(\sin{θ}\) と書くときの \(θ\) は「\(30°,60°\)」といった度数法ではなく、「\(π/6,π/3\)」といった弧度法で表されることが多いです。

 

弧度法とは「円の半径に等しい長さの弧の中心に対する角度」を \(1\) rad(ラジアン)と定義する計量法のこと。

 

これは「半径 \(1\) mの円の円弧の長さが \(θ\) mとなるような角度の大きさを \(θ\) radと呼ぶ」と覚えておくと分かりやすくなります。

 

 

半径 \(1\) の円の円周は \(2π\) なので、「度数法における \(360°\)」=「弧度法における \(2π\)」となります。

反対に「弧度法における \(1\) 」=「度数法における \(180°/π≒57.3°\)」とも言えますね。

 

※ \(π\) は円周率\(≒3.14\)

円周の求め方・円周率とは何か・なぜ無限に続くのかを説明。その割り切れない理由について 円周率とは、円の直径に対する円周の長さの比のこと。 英語では "the perimeter of a circle" あるいは...

 

Tooda Yuuto
Tooda Yuuto
弧度法では「半径 \(r\) の円の角度 \(θ\) に対応する円弧の長さは \(rθ\) である」といったように計算がシンプルになるおかげで微分積分が楽になるので、数学においては度数法よりも重宝される計量法となっています。

 

三角比の表

三角比の中でも、\(\sin{θ} ,\cos{θ}\)  \((θ=0,π/6\)\(,π/4,π/3,π/2)\) の値はよく使うので、できれば完璧に暗記しておきたいところ。

 

 

\(\sin{θ}\) と \(\cos{θ}\) は \(\dfrac{\sqrt{a}}{2}\) の形で覚えると暗記しやすいですよ。

 

 

\(2π/3≦θ≦2π\) における三角比も見ていくと、こんな感じ。

 

こちらは 「\(θ=0,π/6,π/4,π/3,π/2\)」 の表を覚えておけば後述の公式から求められるので、絶対に暗記しないといけないわけではありません。

 

三角関数で基本となる4つの式

最後に、三角関数の公式の中でも特によく使う4つの式を紹介します。

 

1つ目は \(\tan{θ}=\sin{θ} / \cos{θ}\) 。

これは、\(\sin{θ} ,\cos{θ} ,\tan{θ}\) の定義式から求められます。

 

 

3つ目は \(\tan^2{θ}+1=1/\cos^2{θ}\) 。

これは、先ほどの \(\sin^2{θ}+\cos^2{θ}=1\) の両辺を \(\cos^2{θ}\) で割ってから \(\tan{θ}=\sin{θ} / \cos{θ}\) を当てはめることで求まります。

 

\(cos{θ}\) から直接 \(\tan{θ}\) を求めたいときに便利な公式ですね。

 

4つ目は \(\sin(θ+π/2)\)\(,\cos(θ+π/2)\) の公式。

これは、さきほどの点 \(A\) を \(π/2 \ (=90°)\) 回転させた点 \(A’\) を考えると分かりやすいです。