
「頑張って勉強して覚えたのに、次の日にはすっかり忘れてしまった」という経験、ありますよね。
もしかしたら、暗記が中々上手くいかないのは「暗記に対する考え方」が原因かもしれません。
今回は、効率よく暗記するためには「覚える」という考え方から卒業することが重要だという話をしていきます。
photo credit: Munir Hamdan
実は、人間は覚えるのがすごく得意
実は、人間の「覚える」能力は非常に高いことが分かっています。
たとえば、「夢の中に知らない人が出てくる」ケース。
この夢に出てくる知らない人の顔というのは、実は今までに一瞬だけすれ違った事のある人の顔をベースに作られていると言われています。
そんなの覚えてないよ!と思うかもしれませんが、実は脳はきちんと覚えていて、その覚えていた情報を整理するときに夢という形で出てくるわけです。
何年も前に一度だけすれ違った人の顔ですら、脳は覚えていたりします。
これは、記憶力の高い人も低い人も変わりません。
脳の「覚える」スペックは、誰もが平等にとんでもなく高いんです。
あなたが本当に苦手なのは、「覚えること」でなく「思い出すこと」
「じゃあ、なんで自分は暗記科目で全然点が取れないんだ!」と思ったあなた。
それは、覚えることが苦手なのではなく、実際には思い出すことが苦手なんです。
「覚える」と「思い出す」
似たような概念のようで、実はこの2つの間には、非常に大きな差があります。
言葉遊びではなく、意識の問題
「覚えるも思い出すも大した差じゃないだろ!言葉遊びじゃないか!」
という声も聞こえてきそうですが、実はこれは言葉遊びの次元の問題ではありません。
人間は言葉によって思考を縛られる生き物です。
「覚えよう」と思うと、情報を頭に入れることにばかり気が行ってしまいます。
でも、本当に鍛えなければいけないのは「思い出す」力、すなわち頭に入った情報を外に出す力の方なんです。
本当は「思い出す」力を鍛えないといけないのに「覚えよう」とすることは、
例えるなら送球力の低い野球選手がキャッチの練習ばかりしているようなもの。
本当は、送球力を鍛えるためにボールを投げる練習や肩の力を鍛える練習を頑張らないといけないのに、ずーっとキャッチの練習ばかりしていても、絶対に守備力は上がりませんよね?
暗記もそれと同じです。
もし、皆さんが「覚える力がない」のではなく「思い出す力がない」のだと気づけば、それだけで日々の勉強法は大きく変わるはずです。
単語帳を読む時も、じっくり読むのではなく、さっと読んでから本を閉じて思い出す練習に力を入れる
昨日勉強した内容を、教科書を見ずにどれだけ分かりやすく説明できるか友達と競争する
下校途中に、今日暗記した内容でクイズ大会をする
たったこれだけの意識の差で、驚くほど勉強の効率は上がっていきます。
ぜひ、一度試してみてください。
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