読書・書評

本を読んでも内容をすぐに忘れてしまう人にオススメしたい3つの読書のコツ

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「本なんて読んだ内容をすぐ忘れるんだから、私には意味がない」

「せっかく良い本を読んだのに内容を忘れてしまって、人に上手く伝えられず悲しい」

 

こういった事を感じたことがあるという方、多いのではないでしょうか。

 

せっかく面白いと思った小説を人に上手く伝えられないのは残念ですし、実用書の内容を忘れてしまったら何のために読んだのか分からなくなりますよね。

そこで今回は、「読書内容を効率よく覚えるための3つのコツ」を紹介していこうと思います。

photo credit:Monica H.

 


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(1)本を読みながら、自分にとって価値のある情報を吟味する

本の内容を覚えるうえで何よりも大事なのが、覚える情報を絞ることです。

 

そもそも、人間は数日では大した量の情報を身につけることはできません。

 

歴史の教科書を思い出してみてください。

あの、高々300~400ページ程度の本を一冊勉強するのに、ぼく達は何百日という時間をかけているんです。

 

しかも、そのうちの多くの情報を忘れているはず。

 

このように、人間が1日に覚えられる量はたかが知れているのですから、あれもこれも覚えようとするべきではありません。

 

内容の濃い本なら1回読むたびに2~3個の情報を得て残りは次の機会に覚えれば十分ですし、内容の薄い本なら2~3個ほど情報を得れば、あとは読書を楽しむことだけを考えれば良い。

 

自分にとって価値のある情報を1つでも手に入れたら、それはもう十分すぎるほど実りのある読書だと思います。

 

まずは「人に伝えたいと思った部分」・「心にグッと来たフレーズ」・「実践してみたいと思ったアイデア」・「仕事に使えそうな小ネタ」をランキング付けして、上から3つだけを覚えることに専念してみてください。

 

小説の内容を覚えたい場合は、その小説を知らない人に伝えるときに鍵となる各章の話をまとめてみましょう。

(2)コンパクトにまとめた読書ノートをつける

覚えたい情報を絞ったら、次はそれをまとめた読書ノートをつけてみましょう。

方眼ルーズリーフであれば、特に意識せずとも綺麗なノートが作れるのでオススメです。

 

ここで重要なのが、覚えたいと思った内容を単語に絞って書くこと。

 

よく、覚えたいと思った文を丸ごとノートに写す人がいますが、それなら本に付箋を貼っておいて何回も読み返せば良いはずですよね?

 

手も疲れますし、長くなると読み返すのが面倒になるので、写すだけ損。

記録するためにノートを取るのではなく、記憶するためにノートを取るのですから、情報は絞ったほうが効果的です。

 

例えば、次の文章を覚えて他の人に話したり実践してみたいと思った場合。

イェール大学のある有名な研究では、中年の男女を20年にわたって調査しました。その結果、中年期に年齢を重ねることをポジティブにとらえていた人たちは、ネガティブにとらえていた人たちよりも、平均寿命が7.6年も長かったのです。
つぎの例と比較すると、この数字の大きさがよくわかるかもしれません。運動を欠かさず、タバコも吸わず、血圧もコレステロール値も正常値を保つなど、健康維持のために重要なことをきちんと守っても、そのような節制をしない場合との平均寿命の差は、4年未満であることがわかっています。
引用元:スタンフォードのストレスを力に変える教科書

読書ノートには、そのページ数と「イェール大学」「20年調査」「加齢ポジティブ」「7.6年」「運動+非タバコ+血圧コレステ正常=4年未満」と書いてみましょう。

 

ここで情報をいかに絞れるかが、読書の暗記効率に大きな影響を与えてきますよ。

あまり詰めて書くと読む気がなくなってしまいやすいので、スキマの多いノートにするのがコツです。

(3)読書ノートを読み返し、定期的に内容を思い出す習慣を身につける

 

読書ノートを付けたら、それを「通勤通学の電車内・カフェ・待ち合わせ場所」などのちょっとしたスキマ時間に読み返し、書かれている単語から本の内容を思い出してみてください

 

 

効率の良い暗記法に関する記事などでも何度か書いてきたことですが、暗記において重要なのは「何回覚えようとしたか」ではなく、「何回思い出したか」です。

 

「何回思い出したか」が記憶の定着度を決定する。だから、(2)では出来るだけ情報を絞ることで「思い出すためのノート」を作ったというわけです。

 

定期的にノートを読み返して、「あれ、この情報だけじゃ思い出せないな」と感じたらチェックを入れておき、家に帰ったら該当ページを読み返します。

 

「7.6年って何のことか忘れてたけど、加齢についてポジティブに考えた人は7.6年寿命が長いんだったな」と確認したら単語を1つ追記しておきましょう。

このケースであれば「寿命長い」が良いですね。

こうやって思い出すのに必要最低限の量の単語だけが書かれているノートを作り出し、定期的に思い出す習慣を身に着けていくと1日あたり5分程度で本の暗記が出来るようになりますよ。

 

欲張って色んなことを書きすぎると、いざ読み返すときに面倒に感じてしまいがち。

50個書いて1個も思い出さなくなるよりは、10個だけ書いて10個をきちんと思い出す習慣をつけた方が何百倍も価値があります。

初めのうちは情報は少なければ少ないほど良いと考えて、「1枚のルーズリーフに30単語(=5~6項目)」くらいにしておくのがオススメです。

まとめ

①人間は数日では大した量の情報を身に着けられない。まずは覚える情報を絞ることから始めよう。

→読書1回につき、覚える情報は2~3項目で十分。内容の濃い本なら何回も読むべきだし、内容の薄い本なら後は楽しむことだけ考えれば良い。

②覚えたい情報を絞ったら、さらに単語を絞った読書ノートをつけよう。

→記録するためではなく記憶するためのノートなのだから、欲張らずに1項目あたり数個の単語に絞ってスキマの多いノートにするのがコツ。

③情報を十分絞ったら、電車やカフェにいるときなどのスキマ時間にノートを読み返し、内容を思い出す習慣をつけよう。

→思い出せなかったら家で該当箇所を読み返し、単語を1つ追記しておこう。

 

ふとした時に浮かんでくるアイデアの質を高めるのは、「忘れてしまった読書の量」です。

ですから、読書した内容を忘れてしまっても落ち込むことはありません。

 

しかし、「思い出せる読書の量」を増やせば、意識的にアイデアをひねり出したり目の前にある問題を解決できる確率が高まります。

 

「忘れてしまった読書の量」は読書さえしていれば勝手に増えていくのですから、今後読書する時は「思い出せる読書の量」を意識しながら今回挙げた3つのコツを実践してみるのはいかがでしょうか。

 

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