
勉強・恋愛・スポーツ・仕事、どんな領域でもたびたび見かけるキーワード
「努力」
これほどまでに、多くの方の人生に影響を与えてきた言葉はないでしょう。
幸せな人生を送るためには、 どんな形であれ、かならず「努力」との向き合い方を決める必要が出てきます。
ですが、自分に合った努力に対する答えを自分一人で導き出すには、人生は短すぎます。
いま、世の中には様々な努力論があります。
偉大な先人の方々が、何十年とかけて悩みに悩み続けて出した答えが、当たり前のようにそこらじゅうに転がっているのです。
これを参考にしない手はありません。
1つの努力論に縛られることなく、「自分に合った努力論はどれだろう?」と考えながら、色んな努力論に触れていきましょう。
photo credit: See-ming Lee
①「努力は必ず報われる」
努力論の代表的な名言。英語では”Hard work pays off.”と言います。
努力は必ず報われる。
そう信じることができれば、 人はどれだけ辛くても努力し続けることができます。
ただ、
「努力」とは具体的に何を指しているのか?
「報われる」とは具体的に何を指しているのか?
が不明であり、この言葉だけ見ても答えを出すのは難しい。
例えば、「毎日30km走る」のはどう考えても努力ですが
だからといって「毎日30km走れば医者になれるか」といえば当然嘘になります。
この例は極端な例ではありますが、ここで言いたいのは
「どう努力するか」と「どう報われたいのか」が噛み合っていなければ、報われるわけがない
ということ。
あなたの「どう努力するか」と「どう報われたいのか」は本当に噛み合っていますか?
②「努力した者が成功するとは限らない。しかし、成功する者は皆努力している」

音楽家、ベートーベンの名言です。
漫画「はじめの一歩」の鴨川会長のセリフで知ったという方も多いのではないでしょうか。
「努力は必ず報われる」が本当だろうと、嘘だろうと、努力しなければ成功しないことに変わりはない。
「努力は必ず報われる」という言葉にどれだけ疑問を持ったとしても
だからといって努力をしない理由にはならない。
成功したいのなら、努力をするのはアタリマエだ。
失敗を恐れ、努力することをためらっている人の背中を押してくれる一言。
③「努力しても報われないことがあるだろうか。たとえ結果に結びつかなくても、努力したということが必ずや生きてくるのではないだろうか。それでも報われないとしたら、それはまだ、努力とはいえないのではないだろうか」
元プロ野球選手・監督の王貞治さんが自身の著書、王貞治―回想において綴った名言。
報われない努力が「まだ努力とはいえない」のであれば、 確かに努力は必ず報われることになります。
報われていない内は、たとえどれだけ努力したと思っていても、まだまだ頑張りが足りないということだ。
もっと頑張って、今までの頑張りを努力に変えろ!
結果論的な論調にも見えますが、「高校受験で志望校に入れなかった・高3最後の夏の甲子園に出られなかった・プロになったらピッチャーからバッターに転向させられた」という挫折を味わいながらも、そのひた向きな努力で実際に偉大な結果を残された王さんの言葉だからこそ、人の心を動かします。
全力で頑張っている人をさらに奮い立たせる、本当に、本当に厳しい言葉です。
努力はした。しかし、それを現実のゲームの中で生かそうとする場合、気魄(きはく)があるかないかによって、結果は大きく変わってくる、ということに私は気づいたのだ。
だれでも、調子が思わしくないときに、スランプだという。すると金田さんは、「野球の世界でスランプという言葉を口にできるのは、王と長嶋とワシしかおらん。あとの選手は口にしたらあかん。いつも調子の悪いやつはスランプではなく、当り前のことなんだから」といった。
④「努力は裏切らないって言葉は不正確だ。正しい場所で、正しい方向で、十分な量なされた努力は裏切らない」
「今でしょ!」を流行語にした東進ハイスクール人気講師の林修さんがテレビ番組「あすなろラボ」で述べた名言。
これはすなわち、
「正しい場所で努力しているのか?」
「正しい方向に向かって努力しているのか?」
「十分な量の努力ができているのか?」
を自問自答しながら進め!ということ。
確かに、正しい努力をすれば良いのは当たり前といえば当たり前です。
では、「正しい」努力とは具体的にどんなものなのでしょうか?
努力している最中に分かるものなのでしょうか。
ぼくには、精いっぱい頭を使って出した答えを「正しいと信じる」ことしかできないと思います。
「これだけ考えつくしたのだから、もうあとは信じるしかない」
と割り切れるレベルまで、頭をフル回転させる。
エリート街道を捨てて、予備校教師という自分の戦うべき場所をみつけた林先生のように、「人に言われた通りの道を歩むのではなく、自分で考えに考え抜いた道を信じて歩いていく意志の強さ」が求められる言葉です。
『僕がジャニーズに入ろうと一生懸命努力してるとする。これ正しい場所じゃないよね。 結局、やりたい事とやるべき事って別なんだなぁって思ったよ。』
『自分が勝てる場所で勝負する。ここだと決めたからには最大限の努力をする。つまり、大して努力しなくても勝てる場所で、誰よりも努力をする。それができれば、もう負けることはないはずです。』
⑤「練習は嘘をつかないって言葉があるけど、頭を使って練習しないと普通に嘘つくよ。」
プロ野球選手・ダルビッシュ有選手の名言[出典]。
ツイッター上で公式RTだけでも何千回とリツイートされています。
「努力は必ず報われる」・「練習は嘘をつかない」
こういった言葉を初めに述べた先人が「頭を使って努力した」ことは明白です。
ですが、「練習は嘘をつかない」という言葉だけを信じていると、「練習しさえすればいい」と頭を使うことを放棄してしまいがち
名言に振り回されることなく、きちんと頭を使って努力をしよう
辛い練習や勉強・逆境にただ耐えるのではなく
「どう練習すればもっと効率よく上手くなれるのか?」
「どう勉強すればもっと効率よく暗記できるのか?」
「どう対処すればもっと楽に逆境を乗り越えられるのか?」
を、同じ状況を乗り越えてきた先人の本を読んで考えることの重要性に気づかされる言葉です。
⑥「好きだからやってるだけよ、で終わっといた方がええね。これが報われるんだと思うと良くない。こんだけ努力してるのになんで?ってなると腹が立つやろ」
日本が誇るお笑いタレント、明石家さんまさんの名言[出典]。
『努力は報われると思う人はダメですね。努力を努力だと思ってる人は大体間違い』
と、努力論をバッサリ切り捨てています。
『人は見返り求めるとろくなことないからね。見返りなしでできる人が一番素敵な人やね』
確かに「報われる」という言葉は、自分から成果をつかみ取りに行くというよりも
「ほら、これだけ努力したんだから、それに見合った成果をちょうだい?」
と、見返りを求めてしまっているようなニュアンスがあります。
人間、見返りを求めるようになると、なかなか上手くいかなくなるものです。
「自分の方が努力してるのに、なんであいつが・・・」
「あれだけ努力したのに、どうして誰も評価してくれないんだ!」
そういった負の感情が出てきてしまいます。
人は、「ある人がどれだけ努力しているか」は中々分からないものですが
「ある人がどれだけ負の感情をもっているか」は結構分かってしまうものです。
見返りを求めだすと、人が離れていってしまう。
だから、「努力は必ず報われる」なんて考えない方が良い。
何十年と多くの方々を笑わせ続け、そして誰よりも自分自身を楽しませてきたさんまさんの発言だからこそ、スッと納得できてしまう言葉です。
⑦「人生の前半は努力すれば夢は叶うでいいと思う。でもどこかのタイミングでそれを客観視しないと人生が辛い。」
元プロ陸上選手の為末大さんの名言[出典]。
『努力すれば夢は叶う→叶っていない現在の自分→原因は自分の努力不足。努力原理主義を抜けられなかった人は、こんな自分を許せなくて何かを呪って生きていく』
『成功をある程度成功率が高いものにおくのであれば、努力すれば夢は叶うと思う。でも五輪選手になるとか、かなり少ない席の話であれば誰でもできるわけではなくて、才能と、環境がまず重要だと思う。そのスポーツをやる環境に生まれた事が、努力よりも先にくる。』
たとえば、
・東京大学に合格する
・弁護士になる
であれば、毎年2000人以上が成功しているわけですし、「怠けることなく何年も毎日10時間以上努力している人」だけを見て考えれば成功率は30%は超えてくるでしょうから、「ある程度成功率は高い」と言えます。(もちろんそれでも凄く大変ですが)
ただ、五輪選手となりさらに入賞レベルともなってくると「ほんの数枠」を争う訳ですから、「怠けることなく何年も毎日10時間以上努力している人」だけ見て考えても、成功率は1%もない次元の話でしょう。
「難関大学合格・有名会社への内定・部活の選抜選手になる」といった「毎年数千人単位」で達成できた人がいる領域であれば、努力論は素晴らしいものです。
しかし、「日本全体でも1年に1人でるかどうか」といった過酷な生存競争が行われている環境での努力論は、命の削りあいをしているようなものかもしれません。
せっかく全力で努力し続ける精神的・身体的体力を手に入れたのだから、命を削り切る前に、その才能を他のことに活かしてほしい。
そういう願いが込められているように感じました。
⑧「学生のころ投げ出したいと思ったことは一度もない。きれいな結晶にならないときはしょげて下宿に帰ったが、朝になると新しいアイデアが出た。楽しくて、苦労とか辛いと思ったことはない」
青色LEDでノーベル物理学賞を受賞した、天野浩教授の名言[出典]。
何度も挑戦して、何度も上手く行かなくて落ち込んだけれども、朝になると自然とアイデアが出る。
研究が楽しくてしょうがない。だからこそ、青色LEDが生まれたのだと感じさせられます。
努力と言うと、「苦労・辛い・我慢すること」を連想する人は少なくありません。
ですが、努力とは「目標を実現するために、心や身体を使ってつとめること」に過ぎず、苦労する事とは無関係の概念です。
辛い辛いと言いながら努力する人と、楽しい楽しいと言いながら努力する人
後者の方が結果をだせるのは、アタリマエのことです。
もし皆さんが「全力で努力しよう」と思ったときは、まず「努力することを辛いと思わない、楽しいと思える場所を探す」努力から始めてみてはいかがでしょうか?
⑨「 」
冷静に自分を客観視しながら、日々アタリマエのように淡々と練習をこなし
他の誰よりも楽しみながら努力し続けた将来のあなたの名言。
将来のあなたは、努力について一体どんな人生観をもっているのでしょうか。
ぜひ、聞かせてほしいです。