数字は嘘をつかないが正直者でもない。数字を読み解く知恵について

By: HeavyWeightGeek

数字は嘘をつかない。

英語では「Figures will not lie,but liars figure.」ということわざで知られています。

 

日本語では「数字=信用できるもの」という意味で使われることが多い言葉ですが、英語のことわざからも分かる通り「数字は嘘をつかなくても、嘘つきは数字を使う」のです。

 

ではなぜ、嘘つきは数字を使うのか?

それは、数字は「嘘つきではない」だけで、必ずしも真実を教えてくれるとは限らないからです。

photo credit: HeavyWeightGeek


スポンサーリンク

正しい数字が生む誤った結論

例えば「73」という数字は、ただ73として存在しているだけで、自身の数字の意味を考えることはありません。

 

そのため、数字を見たままに解釈すると誤った結論を導いてしまうことがよくあります。

(1)「100才以上の女性たち」と「73才で死亡した女性たち」を比較すると、100才以上の女性たちの方が40代で出産した人の割合が4倍も高かった

つまり、高齢出産した方が女性は長生きする傾向があると言えます。(1997年Nature誌論文)

(2)明かりをつけたまま眠る習慣がある赤ん坊と、そうでない赤ん坊を比べたところ、前者の方がその後近視になる確率が明らかに高かった(55%対10%)。

よって、明かりを消して眠るよう指導すべきです。(1999年Nature誌論文)参考:Night-light may lead to nearsightedness

どちらも調査方法に不備はなく、数字は嘘をついていません。

ですが、どちらも数字は正しいが誤った結論になった論(相関関係はあるが因果関係はない)として有名な話です。

 

後の研究で明らかになったのは

(1)は「40代で出産したから長生きした」のではなく、「40代で出産できるほど健康だったので長生きできた」

(2)は「明かりをつけたまま眠る習慣があると近視になる」のではなく、「子供が眠るときに明かりをつける習慣がある両親はそうでない両親より近視の傾向があり、両親が近視だから子供も近視になりやすかった(=遺伝)」

ということ。

 

「数字は正しくても、結論は嘘になっていた」のです。

数字に知恵を加え、学びを与えるのが数学

数字は嘘つきではありませんが、逆に正直者でもありません。

 

数字はただ数字としてそこにいるだけなのに信用されやすいので、嘘つきに好まれます。

先の例のように、時には本人すらも「嘘」と気づくことなく、正しい数字から得られた嘘をついてしまうこともあるでしょう。

 

では、正しい数字からの嘘を見破るには、どうすればよいのか?

 

ぼくは、その答えは「もう一度数学を勉強する」ことにあると考えています。

 

数学は、「①大局的に物事を見る力②場合分けして物事をみる力③多段的思考をする力④目の前の数字の意味を疑う力」など、様々な力が鍛えられる学問です。

金額交渉・投資・マーケティング。様々な場面で数字が絡んだ「嘘」が見受けられる現代。

こうした「嘘」に騙されず、また自分自身も知らず知らずのうちに「嘘」をつかないために、「本当かな?」と考える力を鍛える学問=数学をもう一度学びなおしてみるのはいかがでしょうか。

 

統計と確率ケーススタディ30―基礎知識と実戦的な分析手法 (ニュートンムック Newton別冊)
スポンサーリンク

ツイッターやブログ等でシェアしていただけると、非常に励みになります。

Tooda Yuuto

数字とにらめっこする日々を送る社会人。当たり前なようで意外と当たり前じゃないことを日々探しています。
大阪大学卒/統計検定1級/趣味は旅行・温泉