自己啓発本の9割が役に立たない原因は再現性の視点が欠けているから

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「自己啓発本なんて、何の役にも立たないよ」「良い自己啓発本もあるけど、人にはオススメしにくい」

自己啓発本は、本の中でもかなり好き嫌いが分かれるもの。

「何冊か読んで自己肯定感が高まったは良いが、冷静になってみたら全然役に立っていないことに気が付いた。正直、お金の無駄だった!」というパターンも多いはずです。

誤解を恐れずに言ってしまうと、自己啓発本の9割以上は何の役にも立ちません。

今回は、そんな話をしていこうかと。

photo credit: Jennifer C.

自己啓発とは?その手段と目的

そもそも自己啓発とは、より充実した人生を送るために「より高い能力」「より幅広い知識」「より優れた人格」を獲得することを目的とした訓練のこと。

そして自己啓発本とは、「高い能力・幅広い知識・優れた人格」を獲得するための手段として「人生において何が重要か」が説かれた本のことを指します。

でも、「人生において何が重要か」を読むと、それだけで何だか充実した気になってしまいますよね。

「人生において何が重要か」を読むのは飽くまでも手段であり、「より高い能力を手に入れる」のが目的であるにも関わらず、手段が目的化してしまい、読んだだけで充実した気になってしまいやすい。

この辺りが、自己啓発本を読むときに注意したいところです。

自己啓発本を読む意義は「当たり前」を実行に移すこと

よく、自己啓発本に対して
「要するに結論は○○が大事ってことでしょ?当たり前のことじゃないか」
という人がいますが、これは批評としては少しずれています。

先に述べた通り、自己啓発本は「人生において何が重要か」が説かれている本です。

そして、どれだけ時代が変わろうとも、人にとって大事なものはそう簡単に変わるものではありません。

つまり、自己啓発本を要約すれば、昔から言い伝えられている「当たり前のこと」なのが普通なんです。

By: Cydcor

上司を立てて部下を伸ばそう。早起きしよう。相手の名前と関心のある事を覚えておこう。相手の立場に立って考えよう。自分で答えを考えたうえで質問しよう。誰も見ていない所でも礼儀正しくいよう。人脈を大事にしよう。全体像を把握しよう。まめにアポをとろう。尊敬する人の行動を真似しよう。

時代や立場によって表現が変わろうと、結論だけみれば知っている事だらけで当然です。

なら、なぜ人は自己啓発本を読むのか?

それは「その当たり前のことが出来ていないから」に他なりません。

そうした方が良いことは知っているけれど、理解はしていないから実行できていない。

だから、自己啓発本を読むことで「その結論に至るまでの過程」を学び、理解しようとする。

これが、自己啓発本を読む目的です。

「当たり前のことをするのが大事」を主題とする自己啓発本において、過程は結論の100倍重要

早起きは三文の徳と言われただけでは早起きしない

では、なぜ多くの自己啓発本は「役に立たない」のか?

ぼくは、その最大の理由は「多くの自己啓発本には、再現性の視点が欠けているから」だと考えています。

例えば、皆さんは「早起きは三文の徳」と言われて早起きするようになったでしょうか?

ぼくはなりませんでした。

「早起きは体に良い」「早起きすると人生が豊かになる」と何回言われても、実感が湧かないので実行に移せない。移しても、続かないんです。

逆に「早起きするべきだ」という実感さえ湧けば、人は早起きするようになりますよね。

好きな人が毎朝近くでジョギングしていると知り、自分もジョギングしようと思って早起きが習慣化

朝にやっている番組を見たくて、早起きが習慣化

早朝にゲームにログインすると手に入るボーナスが欲しくて、早起きが習慣化

「そうすべきだ」という実感に必要なのは、「同じことをしたら同じ結果が得られる」という保証=再現性です。

好きな人が毎朝近い所でジョギングしているなら、早起きすれば会える可能性が高い。

朝やっている番組は、早起きすれば見れる。

「同じことをしたら求める結果が得られる」と思えるから、人は行動し続けられるんです。

一方で、多くの自己啓発本はどうか。

「偉大な経営者のA氏もB氏も、みんな早起きだ」

「私がしたのは早起きすることだけ。すると頭が冴え、成功したのだ」

「早起きしたからお金持ちになってモテました!」

書いた本人にとっては、嘘偽りのない真実かもしれません。

しかし読んでいる方からすると、その論理に再現性は感じられませんよね。

どうしても「あなたが凄かっただけでは?」という考えが頭をよぎります。

実際、早起きしただけで生活が一気に変わることはないでしょう。

仮に変わったとしたら、それは普通の人にはない何かが早起きしたことで活きてきた部分が大きい。

そのため、仮に素直な気持ちになって「よし、実践してみよう!」と思っても、多くの人はその良さを実感できず、三日坊主になってしまうんです。

学者の本が有用なのは、科学的・統計的手法により再現性が確保されているから

一方で、学者の方が書かれた本の大半は、再現性が高いものです。

これは、学会の論文では再現性が重要視されるため、再現性に欠ける主張ばかりをする人は学者として評価されないのが大きな要因となっています。

By: Amy

たとえばこんな話。

アジア系に関するステレオタイプとして、「数学が得意」ということはよくいわれます。ステレオタイプは、一般的にはあまりよいものではないとされています。(中略)しかしながら、ステレオタイプは悪い面ばかりではないようです。157ページの実験25を見てください。自分がアジア系であることを「暗に意識することになった」アジア系アメリカ人学生は、そういった意識をしなかった学生よりも、数学のテストで高い点数を取ったのです。
引用元:実験心理学が見つけた 超効率的勉強法

結論だけみると、自己啓発本でありがちな「思い込みの力はスゴイ」という話です。

しかし、統計による「思い込みの力は効果的」という実験結果は、「私は思い込みの力で成功した」という話よりもはるかに再現性の高い話です。

「あなたが凄かっただけでは?」という考えもなくなりますよね。

こういった再現性の高い理論のもとで行われる自己啓発は、「実践してみよう」と思いやすく、続けやすく、効果も出やすいものです。

自己啓発本を選ぶときは、主張の根拠となる研究結果とその出典が明記されているものを選んだ方が外れを引きにくいでしょう。

あなたの役に立つ自己啓発本の見つけ方

誤解しないでほしいのが、「再現性の視点が欠けている主張が悪い」という話ではないということ。

再現性が高くはなくても、有益な話はたくさんあります。

ただ、もし「自己啓発本を読んで人生を少しでも良い方向に変える」のが目的なら、再現性の低い本を買うのはお金の無駄になってしまう可能性が高いということです。

ネットでタダで読める文章なら「なんか自分も変われそうな気がする」で終わっても良いと思います。

しかし、お金を出して「なんか自分も変われそうな気がする」で終わるくらいなら、そのお金で「時間を節約できる家電」などを買った方が絶対に生活は良い方向に変わりますよね。

重要なのは「あなたの行動や習慣が、あなたにとって良い方向に変わるかどうか」だけ。

自己啓発本を買うときは、以下の方法を使ったり図書館で借りてから買うか決めるなど、十分に吟味したうえで買うのがオススメです。

①買う前に立ち読みで目次に目を通し、「これ、実践してみたい」と思う内容を探す→無いならその本は不要

②該当ページをさらっと読む→「なるほど、実践してみよう」と思えるものがなければその本は不要

③その日は買わずに帰り、「実践してみよう」を思ったことを2週間続ける→続かなければその本は不要

④2週間続いたら、その本はあなたの役に立つ本である可能性が高いので、買う